2025-06-10入舩
戦略を練って実行する力
2025年の日本が抱える大きな問題としてコメ不足と物価高騰がありますが、その背景には異常気象による不作、観光客増加による需要拡大、そして政府の減反政策など、複数の要因が絡み合っているようです。
調べてみると、2023年の減反政策で9万トン減産し、昨年の猛暑で20万トン減少し、近年のインバウンド需要も加わって約40万トンの供給不足が生じており、加えて備蓄米の放出が遅れ価格上昇に拍車をかけているのが現状のようです。
識者によると、この混迷を打破するには農家の多品種栽培による作期分散や、減反政策の見直し、データ活用による効率化といった現場の工夫、また備蓄米の機動的な放出、さらには直接支払い制度への転換など、政策面での戦略と柔軟な対応が必要とのことです。
話は飛びますが、先日ボクシング統一戦で中谷潤人選手と西田凌佑選手が戦い、中谷選手が勝利しました。通常、技巧派でディフェンスに優れる西田選手に対し、慎重な立ち上がりを選ぶボクサーが多い中、中谷選手は「1ラウンド目からダメージを与えていく」というチームで考えた戦略を徹底し、力強いジャブやフック、鋭いアッパーを連打し、西田陣営の想定を超える猛攻を仕掛けました。
この戦略は、相手の強さを認めた上で、しのがせる展開に持ち込み、相手に余裕を与えず、心理的にも圧力をかけるのが大きな狙いだったとのことです。
コメ不足問題も短期的な対応と長期的な構造改革を組み合わせるだけでなく、より戦略的な対応が不可欠と言われており、政府による備蓄米の放出や緊急輸入が進められていますが、これらは即効性に限界があり、地域によっては流通のタイムラグも生じているようです。
農業政策の矛盾や流通構造の歪み、農家経営の危機、そして政治的思惑が複雑に絡み合った構造的課題であるため、政府・農業関係者・消費者を含めた社会全体での協力と、持続可能な米作農業の再構築に向けた戦略的な取り組みを立て、よりよい日本になるように政策を進めていってほしいものです。