2025-09-04入舩
昭和の役者たちの人間力
先日、昭和映画の名作「男はつらいよ」シリーズが放映されていて、家族と見ていたのですが、昭和の映画俳優には、芸や技術を超えた「存在感」があるように感じました。
同じく昭和のプロレスラーも口では説明できないギラギラした感じがあって、演技や試合内容よりも最初に「人間力」がにじんで見えていて、そこに魅力を感じていたとあらためて考えてしまいました。
現在、昭和、平成を通過して令和の時代を過ごしていますが、時代の変遷とITの進化で、私たちをとりまく社会システムやサービスは比較にならないほど効率化されてきました。 それは確かに便利で優れているのですが、そこに人の顔や声、温かさみたいなものが見えなくなっていっていると感じています。
現代のIT分野は効率化・自動化を追求し、AIの発達に伴いこれからも更なる発展を遂げると予想されています。 もちろん、それは社会にとって大きな進歩ですが、画面の向こうにいるはずの人の顔や声は見えず、すべてAIにとって代わられようとしています。
昭和の俳優やレスラーたちが観客に届けていたのは、技術の高さよりも、失敗も含めた「人間ならではの迫力」だったように感じています。
今後は利便性や効率性の向上だけではなく「人間らしい余白」を取り戻す工夫も必要だと、昭和の俳優の演技を見て感じたひとときでした。